ビジネスモデルの違い
Amazonと楽天はビジネスモデルに大きな違いがあります。
Amazonは自社販売・自社サービスに力を入れていて、楽天は登録したショップによる出店料や出品料による収入がメインになっています。
Amazonも出店サービスを用意していて楽天も自社配送を始めるなど、ライバルの強い分野にも積極的なサービス展開をしていますが、根本的な運営方針に差があります。
Amazonの目指すもの
Amazonの目指すものは、国内最大級の小売店です。
直販(Amazon.co.jpによる販売)に力を入れていて、取り扱い商品は増加傾向です。
運営母体がまとめて一括仕入れを行うことで、大手メーカーの製品を安く仕入れることができるため、定番の人気商品がネット通販最安値になることが多いです。
大きな自社倉庫を持つほか、昨今は自社配送を強化するなど、ワンストップサービスの強化に取り組んでいいます。
買い物をする際は「メーカー → 卸業者 → 小売店 → 消費者」の流れになりますが、Amazonは卸と小売店の双方の役割を担うことでメーカーからダイレクトにユーザーへ商品を届けるサービスを理想にしています。
また、Amazonベーシックと呼ばれる自社製品をスマホの充電ケーブルや乾電池、文具など特定のカテゴリーで用意することで、メーカー直販サイトの役割も担っています。
Amazonは世界中に展開している世界最大のECサイトです。自社製品は日本以外でも売れるため製造コストを削減した薄利多売可能になります。
ストアの出店料、出品料や配送代行サービスの収入も大きいですが、目指しているものは自社販売での売上強化です。
楽天の目指すもの
ECサイトの楽天市場で見た場合、ストア出店を増やして出店料、出品料を増やしていくのが楽天の狙いです。
楽天カードをはじめ、楽天グループのサービスを増やすことで、楽天会員を獲得しています。
集客力をアピールすることで、通販サイトに出品したいメーカー、小売店、卸業者から高い評価を得ています。
楽天はこれまでも多くの既存サービスを買収するなどして、クレジットカードや損害保険など多様なジャンルで成長してきました。
2019年10月には第4の大手キャリアとして、携帯事業に参入する予定です。
事業を多角化させるのはグループの売上を伸ばすだけではなく楽天ユーザーを増やすことで、楽天市場の囲い込みをしたい狙いがあります。
楽天は幅広いサービスでお得にポイントを貯められます。ポイントが貯まるサービスを増やしていくことで、ユーザーのお得感が高めることが大きな狙いです。
通販以外の事業で会員を獲得することで、楽天市場の集客力を高めてストア出品を増加させる狙いがあります。
最終的にはAmazonに安く卸している大手メーカーの直販も狙っています。
ECサイトの需要拡大に伴い、メーカーや卸業者のビジネスモデルが小売店経由から直販に変わっていくのも見込んで、積極的な事業投資をしています。